川崎フォトエッセイ  その1142  遺物       HOME

 水道と流し台。それは数十年前はモダンな設備だった。井戸水をくみ上げ、亀に蓄えていた時代から見れば、時代の最先端をいっていたからだ。

 今、僕らが、最先端だと思い、自慢するかのように使っているものも、同じ運命を辿らないとは限らない。

 特に、今の時代、ものの移り変わりが激しい。それだけに、すぐに古風なものになりがちだ。

 その古風さが、レトロという呼び名で、価値を失わなければよいのだが、中途半端なものは、単に時代遅れの遺物になりかねない。

 それを先読みするような感じで、最初から古風なものを選択する手もある。

 クラシック、オーソドックス、ポピュラー。そういうモードで押さえるのも賢いかもしれない。

 そのものが、古く感じさせるのは、必要以上に施されたデザインにあるかのかもしれない。

 そして、ある時代の臭みだけが、いつまでも残ってしまう。

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