川崎フォトエッセイ  その1161  弊害       HOME

 時代が変わると、背景も変わる。そして新たな背景がディフォルトとして存在してしまうと、精神状態も違ってくるだろう。

 新たな背景は、その時代の精神を踏んでおり、同じリズムで、同じシステムで動いていることが多い。

 それは、昔の建造物も、そうであったのと同じように…。

 トコロテン式に古いものは新しいものが追い出していく。建て替えられ、塗り替えられる。

 その建て方、塗り方そのものが、この時代のシステムが含まれており、偶然そうなったところの仕掛けが、精神的にも組み込まれている。そこには、昔からの伝統とか、流儀とかの遺産はないかもしれない。

 古い形式による弊害がそこにあるとしても、残しておきたい精神があるはずだ。

 それを今の時代に活かすことは、逆に矛盾をきたすことにもなるのだが、何が正しく、何が悪いのかは、分かりにくい。