川崎フォトエッセイ  その1214 湿気      HOME

 和風らしさの中に湿気がポイントを占めていることがある。

 この国の気象条件が、そのまま反映しているのだろう。

 苔はちょっと裏山に入ると、いくらでも見ることが出来たはずだ。山には水の通り道があり、石や岩にそれらが張りついているはずだ。

 また、普通の家の庭でも、日が差しにくい場所にも苔は生えやすい。

 苔は小さな植物なのだが、そのきめ細かさが、自然を縮小したような趣があり、素材として使われやすかったのかもしれない。

 西洋の芝生は、その上を歩くことは出来るが、苔の上を歩くのは、躊躇してしまう。

 苔が生える場所は日陰が多く、また入り組んだ地形の場所なので、歩くほどの面積はないかもしれない。

 また、日陰を作ってくれている樹木などがなくなると、苔も干上がってしまうだろう。その微妙さ、繊細さが、和風の趣と合致しているようだ。