川崎フォトエッセイ  その1215 勢い      HOME

 路上に草が生えている状態は、その道が車道ではないか、または、ほとんど車が通らない道だろう。

 舗装された路面には草は生えないが、その繋ぎ目に隙間があり、そこから草が伸びることがある。

 元々植物が棲んでいた場所を人が塞いでしまったのだから、不思議な現象ではない。

 ある勢いのある勢力が活躍し、それに押さえられていたのだが、その勢力が衰えると、元の場に帰ることがある。

 その元の場も、全くの自然な状態ではないが、その場所では自然な成り行きで、そうなったのだろう。

 舗装道路は、地面に瘡蓋のように張りついているが、それはいずれ剥がれるだろう。

 舗装道路としての機能を果たさないほど傷んでしまった道路は、中途半端な固まりを地面に残す。

 地の勢いは、上に有るものとは関わりなく、隙間が有れば、這い上がってくる。