川崎フォトエッセイ  その1263 空気を読む      HOME

 成り行きで、妙な場に出ることがある。

 異常な場所、不思議な場所ではなく、よくある場所でも、勝手を知らないと、異空間と似たような足下となる。

 いつもその場を利用している人にとって、それは日常の中に風景で、取り立てて意識するものではないが、初めて訪れた者は、他との違いをはっきり嗅ぎ分けるだろう。

 空気を読むという言葉がある。

 これは論理や理屈では通らない世界だ。

 相手の世界がそこにあり、それは論理以前のものとして存在している。

 そこがどう言う場所であるのかということは、見れば分かるのだが、その中は独自の空気が漂っている。

 空気を読むとは、その人達の仕草を感じ取ることで、自分の理屈からでは割り出せない世界なのだ。

 つまり、相手がどんな気持ちでいるのかは、相手の立場に一瞬成れる心の幅がなければ、また、その波動を受信出来るタイプでなければ、その空気は見えてこないだろう。

 

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