川崎フォトエッセイ  その1293 一つの現象      HOME

 同じ事柄でも、印象が違って見えることがある。

 全体的に見て、それは大きな変化でもなければ質的にも動きも変わらなくても、印象の違いが、違う情感を掻き立てる。

 現実は一つしかないのだが、捉え方によって多面的に見える。

 また、同じ現実を、違った解釈で捉えると、複数の現実があるような感じとなる。

 同じものを扱いながら、扱い方により、ものの性質さえ違えてしまうこともある。

 そのもののを性格づけたり、意味づけしているのは観察者側のことで、当事者であるそのものは、それとは関わりなく存在するのだが、その解釈の仕方で、その関わりでしか存在できないようなものとして括られることもある。

 純粋に、素朴に、そして素直な気持ちで、ものを見ると言うことは、人間には出来なくなっているように思える。

 

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