川崎フォトエッセイ  その1299 程よい雨      HOME

 程よい感じの雨もある。

 一寸出かけにくいと思う程度の雨なら、その閉塞感のようなものが、気持ちをしっとりさせることがあるからだ。

 雨の日の犬が、しんみりとしているのに、どこか似ている。

 人もやはり、雨の日は、動物的にマイナーな感じになるのかもしれない。

 フルスロットル、フルスイングで、動けない状況の時ほど、精神的なものが見え隠れする。

 程のよい雨の日は、情緒面も多少は濡れるようで、控え目な気持ちとなり、晴れの日には乾いていた何かが、しっとり、しっくり見えることもある。

 人の情緒面は空模様のように、日々変化し、いつも同じ状態ではない。

 せっかく見出した、何らかの境地的な情感も、翌日真っ青に晴れると、すっかり消え去ることもある。

 人は気持ちは変わるからこそ面白く生きていけるのだろう。

 

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