川崎フォトエッセイ  その1323 闇への入り口      HOME

 市街地そのものが、一種の闇である。

 闇とは、よく見えないと言うことだろう。

 見知った人だけが暮らす村落に比べれば、都会は知らない人ばかりが周囲にいる暮らしとなる。

 村落にも得体の知れない場所はあるが、全くの謎ではなく、その情報を、村人から得ることが出来るし、由来も分かる。

 村を作り、寄り集まり、村落とし、囲いの中で、暮らすほうが安全性は高い。

 何処の誰かが分からない人は、滅多に村内には入ってこない。しかし閉鎖されているわけではない。

 村人根性と呼ばれるように、身内をメインにした世界でも、外部への窓は開いていたように思える。

 都心部周辺の市街地での暮らしは、外部の人間同士が住んでいることになる。

 場所的な闇よりも、人的な闇のほうが、恐ろしい。

 

川崎フォトエッセイ  その1323 闇への入り口      HOME