川崎フォトエッセイ  その1350 手作り       HOME

 洋風なものが増え、和風なものが次々に消えていった時期がある。

 気がつけば殆どのものが洋風となっている。

 和風なものへの見直しが行われるのは、洋風なものが広がりすぎ、平凡なものになってしまったためだろう。

 時代が進むと、洋風や和風という分け方では括れないようなものが現れる。

 洋風にしろ和風にしろ、そこには伝統的な系譜があり、形式がある。それに当てはまらないものが出てくると、洋風も和風も共にレトロな感じとして括られる。

 和風の伝統は、そのルーツが他の国にあるとしても、この国の人達が長年に渡り磨き直し、それに関わってきた年月が長いと、風土の中に溶け込み、和風と呼べる進化を遂げる。

 そう考えると、人が加わること、つまり手作りというのが、伝統的なものを指すことになる。

 しかし、時代は手作りだけでは生産が追いつかず、また値段も高くなる。

 物を作ると言うことは、手作りだけを指さなくなっている。

 

川崎フォトエッセイ  その1350 手作り       HOME