川崎フォトエッセイ  その1352 紅一点       HOME

 紅一点は目立つ。色彩計画など習わなくても、昔の人は色についての感覚を持っていた。

 色彩に関する解説書など読まなくても、自然を見ていると、それを学ぶことが出来る。しかも、空間や空気、時間までを含めた生きている色彩だ。

 しかし、庭園などの色は、作られた配色である。これは不自然なのだが、自然から取ってきたもので、模したものだ。

 自然から学び、美味しいところ取りをしたものばかりを見ていると、形式化した意味合いを受け取ってしまいやすい。

 リアルな大自然は、人の美意識とは関わりなく存在するため、その時代の人々の好みにあったものに再配置される。

 しかし、人々は鋭利な美意識を持つ人ばかりではなく、あまりにも意味を込めすぎた配置では、受け取れなくなることもある。

 作り物の場合、作り損ねたり、意図したつもりがなかった配置なのに、偶然、美味しい配色になっていたとき、自然を感じる。

 

川崎フォトエッセイ  その1352 紅一点       HOME