川崎フォトエッセイ  その1369 フィルター       HOME

 子供のころのほうが、小さなものをよく見ていたような気がする。

 道端の草花でも、至近距離で観察していた。初めて見る物なので、珍しい為、興味が走ったのかもしれない。

 それだけに見るものが多くあり、興味対象が無限に近いほど広がっていた。

 その観察をすませると、そこにあるものが既知のものとなり、あとは、その変化型や、バリエーションの違いだけで、興味深度も低くなり、目に入っていても、観察する熱が落ちていく。

 大人が、道端で咲いている草花をじっくり観察している図はあまり見ない。それは草花に興味にある人か、専門家だろう。

 観察していることを観察される為、立ち止まって観察しにくくなるようだ。

 しかし、カメラを持ち、その前で立ち止まっていても、さほどおかしな図にはならない。

 子供のころ、無邪気に見ていたものを、改めて、見直すことが出来る。写真撮影というフィルターを噛ますことで、可能になる世界だ。

 

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