川崎フォトエッセイ  その1371 情緒記憶       HOME

 その年の桜がある。

 その人にとってのその年の桜だ。

 桜が咲いている期間は短い為、その期間の記憶を取り出すことが出来る。

 桜は、決まった日に咲かない。日時としてはアバウトだ。

 しかし、月日による数字による記憶より、思い出しやすい。

 花見に行かなくても、桜を見ることは出来る。小さな草花ではなく、樹木なので、咲いていると分かりやすい。つまり、目立ちやすいのだ。

 他の花と違い、桜は話題になりやすい。開花宣言や、桜前線なども、天気予報でも報道される。

 情緒的なものは思い出しやすい。連想の糸に引っかかりやすいため、思い出す前に思い出している。

 桜が問題なのでは、それを見た人のある状況が大事だ。桜はそのきっかけでしかない。

 

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