川崎フォトエッセイ  その1385 共同体ネット       HOME

 地蔵や祠などがない町は、逆に恐いかもしれない。

 今では市街地となっていても、以前はそこは村や街道が走っていたりすると、何らかの遺産が残っている。

 それらは滅多なことがない限り、土地の人が引き継ぎ、守られてきている。

 そう言うものが一切ない町は、元々何もなかった土地かもしれない。

 長く住んでいる土地の人は、先祖の遺産を残している。それを残すだけのシステムがあることが重要で、出来合いの自治会とは違い、もっと根深い共同体のネットが張られているはずだ。

 世間体というのもその一つで、何らかのタブーを犯すと、罪にはならなくても、共同体からは白い目で見られ、その後、その村落では暮らしにくくなる。

 そのシステムが今も生きているかどうかは疑問だが、地元の人々という繋がりは、そこに流れる線としては、非常に強固なものだと思いたい。

 

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