川崎フォトエッセイ  その1408 現象的鑑賞物       HOME

 日常の中にある、何でもないようなものが、美しく見えることがある。

 それを発見したとき、ちょっと得をした気持ちになる。

 鑑賞料金がいらないのは、誰かに見せるためのものではないからだ。

 街中で、それをじっくり鑑賞することは出来ない。何を見ているのかが、他人には分からないためだ。

 玄関先に咲いている花などは、見るためのもので、それは、立ち止まり、眺めても、問題はない。

 だが、偶然出来たような対象物は、現象物的なため、見せる側も見る側も、準備が出来ていないため、身構えがない。

 日常の中にある、ちょとした現象的鑑賞物は、ほんの一瞬見るだけで、さっと、立ち去ることになる。

 それを、何らかの形で、定着させると、作品となるが、その時は、もう鮮度は消えている。

 

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