川崎フォトエッセイ  その1419 残るもの       HOME

 人は象徴的なものを残そうとする。

 それが、個人的なものでも共通するものでも同じだ。

 残そうとはするものの、残らないものもある。気持ちとしては残したいのだが、そうはいかないのだろう。

 象徴的なものは、具体的な実用性がないこともあり、気持ちの問題だけに限られることが多いからだ。

 個人的にも他の人とも共通する事柄の場合のほうが、残しやすい。

 しかし、個人的な心情が外れ出すと、共通するものの強度も落ち、大事にされなくなるかもしれない。

 形だけのものになってしまっても、昔の人が残そうとしたものを、大事に残すことは、継続が切れることへの畏れだろうか。

 お経の意味は分からなくても、それを唱えることは出来る。何となく有り難いものだという感じで、喉を振るわせるのだろう。