川崎フォトエッセイ  その1542 天敵のいない街      HOME

 建物や人が勝手気儘に振る舞っているような自由さのある街がある。

 自分のスタイルは、決めるのではなく、決まっていく感じがある。そのスタイルにするほうが都合が良いためだ。

 別のスタイルにすると、何となくやりにくい面が出てきたりする。

 スタイルは一律ではなく、その人分だけある。

 全体的なスタイルは同じでも、微妙に違ってくるのは、個体としての事情が反映されるためだ。

 しかし、そのスタイルの中の個々の違いが分かりにくいことがある。泳いでいるメダカは、どのメダカも同じに見える。

 だが、毎日観察していると、名前を付けて区別出来るほど違いが見える。

 勝手気儘に振る舞っている街でも、スタイル争いが起こり、強いスタイルが、その街の主権を握る。

 そのスタイルを持つ人にとっての天敵がいない街は歩きやすい。

 

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