■電子書籍の販売戦略
自費出版で出した本をどのようにして売るかの問題がある。売れれば問題はない。売れないから問題なのだ。また、売る場所をどこにすればいいかの問題もある。
それらの問題は、選択肢が一つではなく、複数同時多発的にやればいい。一つに絞る必要はない。
うんともすんとも反応のない場所では、売っても無駄だと思えば、放置すればいい。
電子書籍販売サイトを見つけ次第登録するのがよい。一冊も売れなければ、そのサイトにボランティアとしてコンテンツを提供したような感じになるが、わずかな手間で登録できるのなら、大したリスクではない。
売れなかったからといって、本屋のように返品されてくるわけではない。販売サイトとしては登録数が多い方が賑わっているようで好ましいし、登録した本人も客になりうるので、歓迎するはずだ。また、新規登録のいわゆる新着本が一日前と同じ本だと、動きのないサイトだということになる。だから、登録は歓迎されるだろう。
ただ、賑やかしだけのことで終わる可能性も高いのだが、少しは自分の本の宣伝効果にはなっているかもしれない。
一年経過し、一冊だけ売れたとしよう。それが300円の本だと手数料を引かれれば150円から200円ほどの売り上げになる。販売サイトはその金額では振り込んでくれない。数千円の金額になってからでないとだめだろう。150円のお金を作者に振り込む場合、振込手数料は作者持ちになるため、銀行とサイトが手数料だけいただく感じになる。
だから、数千円になるまで放置しておけばいい。その場合、仕掛けたビクに魚が何匹入っているのかを見に行くような楽しみがある。
ただ、放置した場合、パスワードを忘れたり、そのサイトのURLを忘れたりしないように、管理だけはしておく必要がある。
電子書籍販売サイトではなく、作者が直販する方法もある。
自分のブログやホームページで直接売るわけだ。この場合手数料は取られないので、300円の本は300円で売れる。
値段の付け方は、販売サイトでの相場を参考にすればいい。
買い物カートとか、決済は一番単純な方法でもできる。
メールで注文を受け、メールでダウンロード場所を知らせればいい。
決済は銀行振り込みとし、入金確認後、本を渡せばいい。ダウンロードさせたり、PDFに鍵をかけたりするのが面倒なら、メールに添付でファイルを送ればいい。
この場合、誰からもアクセスのないようなホームページやブログでは人通りが全くない場所で直販しているようなものなので、来てもらえるような営業が必要になる。
最初から、ある程度アクセスがあるブログやホームページなら、訪問者と作者は近い関係にあるので、買ってもらえる率は高いだろう。それでも一日100アクセス程度なら、外に出ていって宣伝活動的な何かをする方がいいだろう。
電子書籍販売サイトでも価格のない無料本がある。それは読んでもらいやすい。無料なので。
だから、ページ数の少ない。数ページ程度の本を無料本として出すのもいい。その販売サイトの自分のプロフィールページに自分のホームページなりブログページのURLを書いておけば、飛んできてくれるかもしれない。
非常に地味な話だが、コストをかけないで、気楽にできるところから始められる。
つまり、電子書籍関係や、自分が書いた本のジャンルに近いところをうろうろするのがよい。
ブログなどに広告と思われるようなコメントやトラックバックがある。これは絨毯爆弾、無差別爆弾のようなものなので、いわゆる迷惑書き込みだ。迷惑ダイレクトメールのようなものだ。
そういう行為ではなく、まじめにコメントをつけたり、または、無料の電子書籍の場合なら、コメントなどもつけられる。その場合、自分もその電子書籍サイトの会員なのだから、プロフィールページへのリンクがつくだろう。
ただ、そういった営業行為そのものができない人や、ネット上とはいえ、人と交流するのが苦手な人もいる。
本は中身が勝負なのだが、その本が少しでも人目に触れることは、自費出版を考える場合、何らかの動きは必要だろう。
電子書籍を自費出版し、販売サイトに上げるだけでは、なかなか売れるものではない。それでも何かのきっかけで、売れることもあるかもしれないので、それを待つのも悪くはない。それこそ、口コミで広がることもあるのだ。それは本の中身が壷にはまったのだろう。
ふつうは、蛸壺の中にはまりこんだままが現実的なので、それは夢のような話だろうが。世の中、何が起こるかわからない。宝くじも買わなければ当たらない。