■蛸壺現象からの脱出
蛸壺現象は、電子書籍販売サイトに置いても目立たないことだ。そのため、自分が作った電子書籍と、読んでくれそうな、買ってくれそうな人と繋がりにくい。
この場合、目立つ場所に表示されるようにしてくれるサービスもあるが、有料だ。その広告費のようなものを支払っただけの見返りがあるかどうかは謎だ。高いお金を払ってSEO対策をするようなものだ。
また、そうして目立ったとしても、何となく宣伝臭い。出版社が出す本なら、それでもいいが、個人による自費出版では、がんばりすぎる気がする。
それよりも、人気度順一覧で上位に出るとか、販売サイトの「おすすめ」や「話題作」として、本当に選んでもらえた方が好ましい。それは本の内容、コンテンツの力だ。これが一番自然だろう。
ホームページがブログになり、今やそのミニ版のマイクロブログであるツイッター人気が高い。
自分の電子書籍を読んでくれそうな読者と結びつける方法として、ツイッターを活用するのも手だ。
よく言われることだが、ツイッターで自社の製品を念仏のように唱えても客はつかない。それよりも、商品とは関係のないつぶやきのほうが効果的らしい。
それは、似たような商品なら、それを売っている会社の担当者のつぶやきのうまさ、語りの面白さで、何となく馴染みやすさで親しみを感じ、友好度、好感度で他社より有利になるらしい。
それは香具師ではないか……と思うのだが、商品のカタログを示されるより、担当者の人柄の方が客を引きつけるのではないだろうか。
会社は法人だ。だが、法人の言葉より、担当者個人の言葉の方が親近感がわくのだ。それはパーソナルな関係に近い。
売り子が、こそっとつぶやく私語のようなものだ。この私語に人と人との、個人と個人との関係に似たものを感じる。
パソコンやネットはほとんどが一人で見ている。だから、発信する側も企業としてではなく、担当者個人として発信する方が自然なのだ。
自費出版の電子書籍も個人が作っている。だから、ツイッターとの相性はいいはずだ。
今はツイッターだが、次はどんなものが流行るかはわからないが、しばらくはホームページやブログより、ツイッターがコミュニケーションツールとして有効だろう。
ツイッターの使い方、ビジネスでの活かした方に関する書籍は本屋に行けばかなり出ているので、それを参考にすればいい。
ただ、電子書籍関連でフォローするより、自分の本の内容やジャンルでフォローし、フォローされる方がいいだろう。
ツイッターで活躍し、本の紹介や詳細は自分のブログでやるのがいい。ツイッターを誘導装置とする、定番の使い方だが、ツイッターでは自分の本は宣伝しない方がいい。
いつもつぶやいているこの人は何をやっている人なのかとたどっていくと、電子書籍を出している人程度でよい。
ただ、ツイッターとかのコミュニケーション系は苦手という人も、本そのものが読者とのコミュニケーションのようなものなのだから、宣伝のためではなく、本の読者だと思い、軽く顔を出すのは不自然ではない。
ツイッターで本の宣伝をやるわけではないのだから。
当然ツイッター以外にもネット上のサービスはほかにもある。一般的な掲示板やブログでもかまわない。
ホームページからブログへ、ブログからマイクロブログであるツイッターへ流れただけのことで、ブログもホームページも健在だ。
ツイッターをホームページとは呼ばないが、ブログはホームページと呼べる。ツイッターまでくると、もうホームページのニュアンスがなくなっている。
自費出版した電子書籍用のブログを作れば、本の説明も可能だし、作者の自己紹介もできる。つまり、ブログはふつうのホームページのようなものなので、形を保ちやすい。
形とは、ツイッターのようにログだけが流れている画面ではなく、メニューがあり、その記事がある世界だ。
また、ブログの中にツイッターを張り込むことができるので、まずはブログから始めるのだがいいだろう。
ブログは無料で作れるホームページだ。
また、レンタル掲示板のようなものでもかまわない。
人それぞれやりやすい場が違うので、馴染みのある、そして使いこなせる場の方がいいだろう。
どちらにしても、電子書籍を作っても、それを売ったり人に知らせる場が必要だ。
そうでないと蛸壺の底に沈んだままになるからだ。